菩薩の坂と合体神社 〜 坂めぐり その三

武蔵浦和駅から中央郵便局の前を通って、
南浦和駅方面へ向かう道(曲本さいたま線)の途中、
国道17号線をこえてほどなくして、医王寺前の5差路があります。
そこを南に折れ(武蔵浦和駅を背に右折)、300メートル足らずで
道端にお地蔵様がいらっしゃいます。
左側の高台から、ちょうどそこへ降りてくる坂が地蔵坂。

c0238060_15225587.jpg

坂道の半ばに、表示板もしっかり残っています。
(以下小声で)が、とくに目立つような坂ではありません。(ヒソヒソ)

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地蔵坂をあっけなく発見し、というよりお地蔵様がわかりやすくて、
きれいな表示板まで写真F6EE.gifに収めたので、足取りも軽くそのまま南下します。
このあたりは、台地のへりをたどるように道が走っていて、
道の右側は平地ですが、左側は傾斜地です。
武蔵野線の下をくぐって、これもほどなくして、
ゆるやかに湾曲する坂道を発見。その名も観音坂といいます。

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坂の名の由来は、坂を下った先に観音堂があるためですが、
坂道がすでに尽きた先のことなので、実感が薄い。
坂道の上のほうに表示板がちゃんとありました。
父と娘が自転車F687.gifを押しながら登ってきました。
地蔵といい、観音といい、どちらも菩薩様ですが、
坂道の風情としては現代的です。

c0238060_15225580.jpg


さてさて、本日はあっけなく2坂収穫。「記事が長い」と口さがない
スズメ達に陰口をたたかれているワタクシとしては、
さっさと業務終了したいところですが、いえ、ほんとですって。
少しだけ余談。(笑)

地蔵坂の手前の道沿いに、見るからに鬱蒼とした木立F487.gifがあります。
道から見上げると、その木立の群れが明らかに異質な空間として
感じられます。

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道沿いの看板には「睦神社 社叢」(むつみじんじゃ しゃそう)とあり、
市指定文化財です。能書きを読んでみましょう。

c0238060_15225577.jpg


市指定天然記念物
睦神社社叢
昭和四十七年七月十九日指定
所有者 睦神社

この睦神社は、大宮台地の南縁の舌状台地上にあり、
境内にはシロダモ、ヤブツバキ、ビナンカズラ、キチジョウ
ソウなどの暖地性植物が多く自生しています。これは、この
台地の縁辺にかつて太平洋の暖流が打ち寄せており、この
地一帯に暖地性常緑広葉樹が繁茂していたことの名残の
ものです。
この地の古い植生を伝える社叢として、保存価値の高い
ものです。
昭和五十七年一月 浦和市教育委員会



「叢」とは草木が群生している様ですから、
社叢とは、いわゆる「鎮守のもり」でしょうか。
睦神社のもりには、暖かい土地に育つ植物F487.gifが生えていて、
それは海岸線がこのあたりまで侵食していた時代の名残
であると述べています。

ふむふむ、なるほど周囲とは異質な景観だったわけがわかりました。
が、しかし、このあたりが海岸線だった頃とは、いつのことだ。

海岸線がさいたま市あたりまで内陸化した最も新しい時代は、
このあたりに貝塚F3C0.gifが作られた時期かしら。
とすれば、縄文時代の前期、縄文海進とよばれる海岸線の後退があり、
今から6千年前がピーク。
縄文杉より長生き。
ということではなく、世代交代を繰り返して、何千年間も
暖地性樹木の末裔が生き続けたということでしょうね。

傾斜の急な歪んだ石段が、途中でなんと交差点になっています。
地図にも交差して載っています。
登りきると、境内にはいくつもの社殿が寄り合っていました。


c0238060_152255100.jpg


ところで、その睦神社。聞いたことのない神社名ですが、調べてみると
「古くは富士社といったが、明治四十年、別所の稲荷社、辻の熊野社、
文蔵の神明社、白幡の諏訪社、八幡社などを合祀し、同四十四年さらに
数社を合祀し、睦神社と改称した。」(『わがまち浦和』)

神様の雑居状態で、それで仲良く過ごせとばかりに
「むつみ」ですか。マサカネ。

別所から転居してきた稲荷様でしょうか、境内には
狛犬のかわりに狐F6BA.gifが守る社もあります。かわいらしい小狐付き。


c0238060_15225574.jpg


稲荷様も熊野様も諏訪様も八幡様も「合体」してしまおう
というのだから、乱暴な話ですが、これは明治期の国策。
国中にあふれる八百万の神様は、整理・合祀され大幅に減りました。
あげく、「稲八金天神社」なるものまで生まれました。
稲荷神社、八幡宮、金比羅神社、天満宮の合体神社です。

むつみ神社も、もとの神様の頭文字を集めたら、
奇天烈な社名になりますが、合祀した神様が多すぎて、
寿限無(じゅげむ)状態になってしまうため、
単に「むつみ」としたのかもしれません。
なお、稲八金天神社は「いなはちこんてん神社」と読みます。

ああ、今日も長々書いてしまったなあ。
(ひげG)

<地蔵坂・観音坂付近地図>c0238060_15225689.jpg

by saitamacitypr | 2012-09-05 16:34 | まちの話題 | Comments(0)


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